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副詞

副詞


「形容詞 + ment」による副詞の作り方

通常、形容詞の女性形に -ment をつけると副詞になります。
語尾 -ment は英語の -ly に相当します。
ただし、 -ment で終わる単語は、男性名詞の可能性もあります。

形容詞から作る副詞の例をいくつか挙げてみます。

形容詞副詞備考
男性形女性形
direct
(直接的な)
directe directement
 (直接的に)
mondial
(世界的な)
mondiale mondialement
 (世界的に)
heureux
(幸せな)
heureuse heureusement
 (幸運なことに)
absolu
(絶対的な)
absolue absolument
 (絶対的に)
このように男性形に -ment
をつける場合もある
profond
(深い)
profonde profondément
 (深く)
このように e が é に
変わる場合もある


語尾 –ment に代わる表現

上で見たように、形容詞(の女性形)に語尾 –ment をつければ大体副詞になりますが、何にでも –ment ばかりつけていると、表現が平板でぎこちなくなります。
あたかも、日本語で「~的」とつければ形容詞的になるものの、あまり「~的」を繰り返すしすぎると重たい印象を受けるのと同様です。
その場合は、次の熟語を使うと、もう少し軽やかに、表現が豊かになります。

d'unemanière形容詞
defaçon

組み合わせは、
  d'une manière 形容詞、 de manière 形容詞、 d'une façon 形容詞、 de façon 形容詞
の 4 通り可能です。
意味は、
  (1)「~な仕方で」「~な風に」
  (2)単に「~に」〔形容詞を副詞化する〕
となります。
もともと manière と façon は、ともに「仕方、やり方」という同じ意味の女性名詞です。
形容詞がつくと不定冠詞がつきやすくなるため、(通常の形容詞の場合は)不定冠詞 une がつきますが、熟語なので無冠詞になる場合もあります。

例えば、 rapide (速い)という形容詞を副詞にする場合、 -ment をつけて

  rapidement (速く)

とすることもできますが、上の熟語を使って

  d'une manière rapide
  de manière rapide
  d'une façon rapide
  de façon rapide

と言うことも可能です。

この表現を使った熟語としては、例えば次のものがあります。

  de la même façon (同じように、同様に)

「même (同じ)」は特殊な形容詞で、基本的に、「定冠詞(le, la, les) + même + 名詞」という使い方をするため、ここでも定冠詞を使い、 même が名詞の前にきています。

  de toute façon (いずれにせよ)

「tout (すべての)」も特殊な形容詞で、やはり名詞の前に置きます。無冠詞・単数なので、「あらゆる」という意味になります。
もとの意味は「あらゆる仕方で」ですが、「いかなる仕方でも」→「いずれにせよ」と意味が変化しています。

副詞の位置

副詞は補足的な要素なので、置く場所が厳密に決められているわけではありませんが、来やすい(フランス語として自然な)位置はあります。

 1. 通常の位置

通常、
  単純時制の場合は、動詞の直後
  複合時制または受動態の場合は、助動詞と過去分詞の間
に置くのが一般的です。

 2. 前の文とのつながりを示す副詞

「donc (それゆえ)」などのような、前の文とのつながりを示す、接続詞とも取れるような副詞の場合は、もちろん文頭に置くこともできますが、文中に埋め込まれるケースもよく見受けられます。
文中に埋め込む場合は、上の「通常の位置」と同じ位置に置きます。
文中に埋め込まれていても、多くの場合、訳すときは文頭に持ってきたほうが日本語では自然になります

  ⇒ 例文

名詞の副詞的用法

時を表す名詞は、副詞(状況補語)としても使われます
英語だと、例えば「夜には」(夜になると)は次のように表現します。
  at night
  in the night
前置詞なしで「the night」だけだとこの意味にはなりませんが、フランス語では前置詞をつけずに「la nuit」だけで「夜には」(夜になると)という意味になります。

以下に主な表現を列挙してみます。

 a)「現在から見た表現」(直接話法で使用)と「過去・未来の一時点から見た表現」
  (間接話法で使用)を左右セットで並べてみます。

 〔現在から見て〕

 aujourd'hui (今日)
 hier (昨日)
 demain (明日)

 l'an dernier (去年)
 l'année dernière (去年)
 l'an prochain (来年)
 l'année prochaine (来年)

〔過去・未来の一時点から見て〕

ce jour (その日)
la veille (その前日)
le lendemain (その翌日)

l'année précédente (その前の年)

l'année suivante (その翌年)

「an」は男性名詞、「année」は女性名詞ですが、どちらも「年」という意味。

 b)それ以外にも、次のような表現がよく使われます。

  ce matin (今朝、その朝)
  ce soir (今晩、その晩)

  chaque matin (毎朝)
  chaque jour (毎日)

  tous les jours (毎日)
  toute la journée (一日じゅう)  〔⇒ 参考: tout の意味

  le matin (朝に、朝になると)
  la nuit (夜に、夜になると)  ⇒ 例文

このうち、「aujourd'hui (今日)」〔英語 today〕、「hier (昨日)」〔英語 yesterday〕などは、辞書に「副詞」としても載っていて、冠詞もつかないため理解が容易ですが、その他の表現では、冠詞(またはそれに代わる言葉)が付いていて、前置詞なしで副詞のように機能するので、注意が必要です。

英語でも、前置詞をつけない場合もあるようです。例えば、
  in the following year (その翌年)
は、前置詞 in を省いて
  the following year (その翌年)
と言うこともあるようです。



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