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北鎌フランス語講座 - 文法編「条件法と接続法」

条件法・接続法  関連ページ:接続法による譲歩の熟語表現、高度な条件法の用法

3 つの法の比較

3 つの法の根本概念は、次のように要約することができます。

  • 直説法:事実を述べる時に使う。
  • 条件法:事実に反することを述べる時に使う。
  • 接続法:事実か事実に反するかは別として頭の中でイメージして述べる時に使う。

このうち、条件法は基本的に英語の仮定法と同じで、実際とは違うことを述べる時に使うので、理解しやすいと思います。
接続法の「頭の中でイメージして述べる」というのは、わかりにくいかと思いますが、あとで「接続法の用法」の項目で具体例を挙げて説明します。

条件法の作り方と時制

形の上では、直説法単純未来の前半部分と直説法半過去の後半部分(次の表の太字部分)をくっつけると、条件法現在になります(詳しくは、「動詞の活用編」の条件法現在のページを参照してください)。
次の表は「avoir」の条件法現在の作り方です。

単純未来の
前半
半過去の
後半
条件法現在
j' auraij' avaisj' aurais
tu aurastu avaistu aurais
il aurail avaitil aurait
nous auronsnous avionsnous aurions
vous aurezvous aviezvous auriez
ils aurontils avaientils auraient

条件法の用法のひとつに、時制の一致による「過去における未来」の用法がありますが、形の上からも、半過去と単純未来を合わせた形になっているわけです。

次に、代表的な「非現実の仮定」の例文で、条件法の「現在」と「過去」の 2 つの時制を見てみましょう。
もし... だったとしたら」の部分が「従属節」で、「...なのになあ」という部分が「主節」です。
「現在の事実に反する仮定」の場合は、従属節で直説法半過去、主節で条件法現在 を使用します。
「過去の事実に反する仮定」の場合は、従属節で直説法大過去、主節で条件法過去 を使用します。

従属節主節
現在の事実
に反する
仮定
 Si + 直説法半過去,
 Si j'étais riche,
もし私がお金持ちだったら
 (1) 条件法現在
je ferais le tour du monde.
世界一周旅行をするのになあ
過去の事実
に反する
仮定
 Si + 直説法大過去,
 Si j'avais été riche,
もし昔、私がお金持ちだったら
 (2) 条件法過去
j'aurais fait le tour du monde.
世界一周旅行をしていたのになあ

上段の「Si」は接続詞「もし」(英語の if )。「étais」は être の直説法半過去1人称単数。「riche」は形容詞「お金持ちの」。
主節の「ferais」は他動詞 faire の条件法現在1人称単数。「tour」は「周」、「du」は「de」と「le」の縮約形、「monde」は「世界」なので、「le tour du monde」で「世界一周」。「faire le tour du monde」で「世界一周旅行をする」となります。

下段の「avais」は助動詞 avoir の直説法半過去1人称単数、「été」は être の過去分詞。「直説法半過去 + 過去分詞」で直説法大過去になります。
主節の「aurais」は助動詞 avoir の条件法現在1人称単数、「fait」は faire の過去分詞。「条件法現在 + 過去分詞」で条件法過去になります。

このように、条件法過去は「助動詞 avoir(または être)の条件法現在 + 過去分詞」で作りますから、形の上からは条件法現在だけを覚えればよいことになります。

条件法の用法

1. (時制の一致で)過去における未来

歴史的に見て、最も古くからある条件法の用法です。
時制の一致で、過去における未来は条件法になります。正確には、

  • 「過去における単純未来」は「条件法現在」
  • 「過去における前未来」は「条件法過去」

になります(例文はこちら)。

2. 非現実の仮定

条件法の一番代表的な用法です。英語の「仮定法」に相当します。
もし(仮に)... だったとしたら、...なのになあ」という非現実の仮定(空想)です。
例文は、さきほどの表の例文を参照してください。

なぜ「過去における未来」が「非現実の仮定」の意味になったかというと、いったん過去に戻り、過去から未来を見ると、現実の今とは違った、他の可能性も見えてくるからだと言えるでしょう。過去に遡り、「あの時、ああしていたら、現在の私の人生は、もう少し違ったものになっていただろう」というような想像です。

なお、Si の後ろの「もし(昔)私がお金持ちだったら」という部分も、本来の直説法半過去(「...だった」)や本来の直説法大過去(過去完了)の意味で使っているのではなく、意味的には条件法(非現実の仮定)です。つまり、
  Si の後ろの「直説法半過去」は、実質的には「条件法現在」を意味
  Si の後ろの「直説法大過去」は、実質的には「条件法過去」を意味
しています。
日本語でも、非現実の表現では、現在のことについて言うのに「もし~だったとしたら」と過去形を交えて言うのと同様です。

この非現実の仮定に「譲歩」の意味が追加され、「(百歩譲って)もし(たとえ仮に)... だったとしても」という意味になる場合もあります。
これは、たとえ「非現実の仮定」をしたとしても、やはり事情は今と変わらない、というような場合です。
たとえば、さきほど挙げた例文の主節の動詞を ne... pas で挟んで否定文にすると、次のように意味が変化します。

  • Si j'étais riche, je ne ferais pas le tour du monde.
    (たとえ仮に私がお金持ちだったとしても、世界一周旅行をしないだろう)

  • Si j'avais été riche, je n’aurais pas fait le tour du monde.
    (たとえ仮に昔私がお金持ちだったとしても、世界一周旅行をしていなかっただろう)

3. 語調緩和・丁寧

たとえば英語の「Can you ~ ? 」は、直説法を使って次のように言います。

  • Pouvez-vous ~ ? (~してもらえませんか?)

「Pouvez」は準助動詞 pouvoir(~できる)の直説法現在2人称複数。
これを、条件法を使って次のように言うと丁寧になります。

  • Pourriez-vous ~ ? (~していただけませんか?)

「Pourriez」は pouvoir(~できる)の条件法現在2人称複数。英語の「Could you ~ ? 」と同じです。

なぜ「非現実の仮定」が「語調緩和・丁寧」になるのかというと、「~するなどということは非現実な、無理なことですよね。でもひょっとして~してもらえませんか?」という感じで、丁寧な感じが出るのだと思います。

あるいは、英語の「I want ~ .」は、直説法を使って次のように言います。

  • Je veux ~ . (私は~したい)

「veux」は準助動詞 vouloir(~したい)の直説法現在1人称単数。
これを、条件法を使って次のように言うと丁寧になります。

  • Je voudrais ~ . (私は~したいのですが)

「voudrais」は vouloir(~したい)の条件法現在1人称単数。英語の「I'd like to ~ .」と同じです。
さきほどと同様、「~するなどということは非現実な、無理なことかもしれませんが、もし可能なら(できれば、なるべくなら)~したいのですが」という感じで、丁寧になります。

硬い文章(論説調の文章など)では、

  • Il faut ~. (~する必要がある)

と直説法現在で言うと断定口調になりますが、

  • Il faudrait ~. (~する必要があるであろう)

と条件法現在で言うと断言を避ける形になり、筆者の意見を述べる場合に頻繁に使われます。

4. 遠まわしの非難・後悔

次の文は、語調緩和の例として挙げられる場合がありますが、必ずしもそうとは言い切れません。

  • Vous auriez ~. (~してくれればよかったのに)

「auriez」は助動詞 avoir の条件法現在。「」は「devoir(~しなければならない)」の過去分詞。合わせて「devoir」の条件法過去です。
逐語訳では、「あなたは~しなければならなかった(でしょう)」となります。条件法なので「実際にはそうしなかった」ことを前提とした表現であるため、「~してくれればよかったのに」という感じになります。
場合によっては「なぜ、そうしなかったんですか?」というニュアンスも感じられ、遠まわしに非難しているように聞こえることもあります。

これと同じ「devoir」の条件法過去で、主語を「私」に変えると次のようになります。

  • J'aurais ~. (~すればよかったのに)

逐語訳では、「私は~しなければならなかった(だろう)」ですが、「本来なら、そうするべきであったのに、実際はそうしなかった」、「しまった、~すればよかった」という後悔の意味になります。

このように、単なる非現実(実際とは違う)というだけではなく、言外に遠まわしの非難や後悔などのニュアンスを伴う場合があります。

5. 他人の節の引用・伝聞

これは新聞や論文などでよく使われます。
特徴は、
  D'après ~ (~によると)
といった前置詞とセットで使われることが多いことです(この「~」の部分に、報道機関名や、その説を唱える学者の名前などが入ります)。
条件法にすることで、「それが事実かどうかはわからないが」というニュアンスが出ます。

⇒ 「条件法過去第二形」「条件法現在第二形」「条件法による条件節」
 「fût-il, fût-ce」等については「高度な条件法の用法」を参照してください。

接続法の概要

接続法というのは、面倒ではありますが、実際問題としては、それほど難しくありません。
ある表現の後ろでは必ず接続法になると決まっていることが多いため、自動的に接続法にすればいいからです。

原則として、話し手が何らかのニュアンスを付け加えるために勝手に接続法にすることはできません。

たとえば、

  • Il faut que... (...しなければならない)
  • Je ne crois pas que... (私は ...だとは思わない)

の que の後ろでは接続法になると決まっています。
これらの動詞(元の形は falloircroire )を辞書で引くと、辞書によって「接続法」とか「接」とか「subj.」と書いてあるはずです。subj. は subjonctif(接続法)の略です。そうしたら、上の例文の「que」の後ろの「...」のところの動詞が自動的に接続法になります。

接続法の形(作り方)については、「動詞の活用編」の「接続法現在」のページ「接続法半過去」のページを参照してください。

接続法の時制

接続法には 4 つの時制があり、使い方は次の表のとおりです。

表の (3) と (4) の意味は、「主節が過去」だと、「主節と同時」や「主節よりも未来」のことを言おうとしても「(3)接続法半過去」になり、「主節よりも過去」または「完了」なら「(4)接続法大過去」を使う、という意味です。これも、いわば「時制の一致」の一種です。

ただし、日常会話や平易な文では、(1)「接続法現在」と (2)「接続法過去」しか使わず、
  (3)「接続法半過去」は (1)「接続法現在」で代用
  (4)「接続法大過去」は (2)「接続法過去」で代用
します。

主節と同時・未来主節より過去・完了
主節が現在 (1) 接続法現在 (2) 接続法過去
主節が過去 (3) 接続法半過去 (4) 接続法大過去

例文:

  Il le fait.
(彼はそれをする)
  Il l'a fait.
(彼はそれをした)
 Je ne crois pas
(私は思っていない)
 qu'il le fasse.
(彼はそれをするとは)
 qu'il l'ait fait.
(彼はそれをしたとは)
 Je ne croyais pas
(私は思っていなかった)
 qu'il le fît.
(彼はそれをするとは)
 qu'il l'eût fait.
(彼はそれをしたとは)

(1) の例文:「fasse」は faire(する)の接続法現在3人称単数。

(2) の例文:「ait」は助動詞 avoir の接続法現在3人称単数。「fait」は faire(する)の過去分詞。「助動詞の接続法現在 + p.p.」で「接続法過去」になります。

(3) の例文:「fît」は faire(する)の接続法半過去3人称単数。

(4) の例文:「eût」は助動詞 avoir の接続法半過去3人称単数。「fait」は faire(する)の過去分詞。「助動詞の接続法半過去 + p.p.」で「接続法大過去」になります。

なお、各例文で使われている「le」は、何か1語ではなく文脈全体を指すため、中性代名詞の le です。

  • 「主節が未来」の場合は、上の表の「主節が現在」と同じ扱いになります。
    「主節が条件法」の場合は「主節が過去」と同じ扱いになります。 ⇒ 例文(諺)

接続法の用法

1. 名詞節で

名詞節とは、節(=小さな S + V を含むグループ)全体が名詞として機能するものを指します。

 (1) 主節で croire(思う)などの動詞を否定文・疑問文で用いる場合

この他、penser(考える)、dire(言う)などの動詞も含まれます。これらの動詞を否定文・疑問文で使用した場合に、que の後ろの動詞が接続法になります。

肯定文だと、普通に直説法を使います。たとえば、

このように、肯定文だと、「Je crois que...」(英語「 I think that... 」)の「...」の部分の動詞は直説法になります。
ところが、これを否定文にすると(英語「 I don't think that... 」)、

というように、que の後ろで自動的に接続法になります。
つまり、「Je ne crois pas que」(英語「I don't think that」)と言ったら、その後ろの動詞は接続法になるわけです。

 (2) 主節の動詞が、願望禁止恐れなどを意味する動詞の場合

願望・要求・命令、禁止・否定、疑惑・恐れ・感情などを意味する次のような動詞の場合は、que の後ろの動詞が接続法になります。

  • souhaiter que... (...であることを希望する)
  • vouloir que... (...であることを望む)
  • défendre que... (...であることを禁じる)
  • douter que... (...であることを疑う)
  • avoir peur que... (...であることを恐れている)
  • être content que... (...であることで満足している)

    最後から 2 番目の「avoir peur que...」は、厳密には avoir が動詞で、「peur」は「恐怖」という意味の女性名詞なので、逐語訳すると「...という恐怖を持っている」ですが、無冠詞になっていることからもわかるように熟語化されており、全体で上のような意味になります。
    最後の「être content que...」も、厳密には動詞は être で、「content」は「満足している」という意味の形容詞ですが、全体で上のような意味の熟語表現となります。

上の「 3 つの法の比較」で、接続法は「頭の中でイメージして述べる時に使う」と書きました。この例でいうと、たとえば「souhaiter que...」は、そのように希望しているだけで、実際にそうなる(事実)か、そうならない(事実に反する)かは、わかりません。単に「そうなって欲しい」と頭の中でイメージしているわけです。あるいは、「avoir peur que...」だと、恐れている事態が実際にやって来る(事実)か、やって来ない(事実に反する)かはわかりませんが、悪い事態を頭の中でイメージしているわけです。これが接続法の感覚だといえます。
たとえば、次のように使います。

  • Je souhaite qu'il fasse beau demain.
    (逐語訳:私は明日、晴れることを希望する)

「fasse」は faire の接続法現在3人称単数。「demain」は「明日」。「Il fait beau.」は「晴れている、天気がいい」という意味の決まりきった表現で、この動詞「fait」(faire の直説法現在3人称単数)の部分が接続法現在になっているわけです。
わざと逐語訳していますが、実際は「明日、晴れたらいいな」という感じです。

以上が原則ですが、しかし、似たような意味の動詞である

  • espérer que... (...であることを希望する)

の後ろは、直説法にする決まりになっています(未来のことなので、時制は「単純未来」がよく使われます)。たとえば、

  • J'espère qu'il fera beau demain.
    (私は明日、晴れることを希望する)
    「espère」は espérer(希望する)の直説法現在1人称単数。espérer はアクサンの向きが一部で変わる不規則動詞で、répéter の活用と同じ。「fera」は faire の直説法単純未来3人称単数。

このように、ほとんど同じ意味でありながら、souhaiter の後ろは接続法、espérer の後ろは直説法になるため、どの動詞の場合に接続法になるのかは、辞書を引いて個別に覚えるしかありません。
ただし、だんだん「この後ろでは接続法になりそうだな」という勘がついてきますから、あまり恐れる必要はありません。

なお、Je n'espère pas... というように主節を否定にした場合は、上の 1. (1) の規則によって que の後ろは接続法になり、

  • Je n'espere pas qu'il fasse beau demain.
    (私は明日、晴れることを希望しない)

となります。

 (3) 非人称構文で、必要性・重要性・可能性などを表す表現の場合

非人称構文とは、非人称(仮主語)の il を使った文のことです。

  • Il faut que... (...することが必要だ)
  • Il se peut que... (...ということもありうる)
  • Il semble que... (...のように思われる) ⇒ 例文(読解編)

いずれも Il が仮主語で、意味上の主語は que... 以下となります。
「peut」は pouvoir の現在3人称単数。ただし、上の表現で熟語として覚えるしかありません。
「semble」は「sembler(見える、思われる)」の現在3人称単数。
「Il semble que...」は英語の「It seems that...」に相当します。
なお、原則として
  「Il semble que... (...のように思われる)」の後ろは接続法
  「Il me semble que... (私には...のように思われる)」の後ろは直説法
になるという傾向があるようです。

 (4) Il est ~ que... の構文で、「~」の部分に話者の判断を示す形容詞がくる場合

この Il も仮主語です。「話者の判断を示す」というのは、少しわかりにくい表現ですが、たとえば、

  • Il est naturel que... (...というのは当然だ)

この「naturel」というのは「自然な、当然の」という意味の形容詞です。 que... 以下の事柄に対し、話し手が「当然だ」と判断を下しているわけです。

ただ、これも上の「~」の部分に来る形容詞によって、接続法になるかならないか決まっており、すべて、辞書の形容詞の項目に記載されていますから、個別に覚えるしかありません。

 (5) Que... が文頭にくる場合

Que... が文頭にきて、「...ということ」で始まる文(= Que 以下が全体として名詞節になる文)では、Que の後ろの動詞(=「節」の中の動詞)が接続法になる、という決まりがあります。 ⇒ 例文(読解編)

2. 副詞節で

次のような目的・対立・譲歩などを表す接続詞(または接続詞句)の後では、接続法になります。(接続詞句とは、2 語以上で 1 語の接続詞と同じ働きをする表現のことです)。

  • pour que... (...するために)
  • afin que... (...するために)
  • bien que... (...にもかかわらず)
  • quoique... (...にもかかわらず)
  • quoi que... (何を...しようとも)
  • avant que... (...する前に)

    ⇒ 「quoi que...」に類する表現については、「接続法による譲歩の熟語表現」のページで詳しく取り上げています。

3. 関係詞節で

以下の場合には、関係代名詞の後ろの動詞が接続法になります。

 (1) 主節が条件を表している場合

日本語では、「...するような」という感じです。たとえば、

  • Je cherche un secrétaire qui sache le japonais.
    (私は日本語がわかるような秘書を探している)
    「cherche」は他動詞「chercher(探す)」の現在1人称単数。「secrétaire」は「秘書」。「qui」は関係代名詞。「sache」は他動詞 savoir(知っている)の接続法現在(ここでは「わかる」の意味)。「japonais」はここでは「日本語」。

なぜここで接続法を使うかというと、この秘書は現実に存在する秘書ではなく、現実に存在するかどうかは別にして「このような秘書がいたらいいな」と頭の中でイメージして述べているからです。イメージの中で、理想像として、関係代名詞の後ろで「...ような」と条件をつけているわけです。このような場合に、接続法を使用します。
「chercher」に似た動詞の目的語に関係代名詞がつくと、その後ろで接続法になりやすい、とも言えます。

 (2) 先行詞が最上級またはそれに準じる言葉である場合

この場合、関係代名詞の後ろの動詞が接続法になります。

  • L'homme est le seul animal qui sache rire.
    (人間は笑うことのできる唯一の動物である)
    「homme」は男性名詞で「男、人間」。「seul」は形容詞で「唯一の」。「animal」は男性名詞で「動物」。「sache」は他動詞 savoir(知っている)の接続法現在(ここでは「できる」の意味)。「rire(笑う)」は自動詞。「qui sache rire(笑うことのできる)」が先行詞「le seul animal(唯一の動物)」に係っています。

先行詞に「seul(唯一の)」という最上級に準じる言葉が含まれているため、関係代名詞の後ろで動詞が接続法になっています。

 (3) 主節が否定文・疑問文の場合

主節が否定文・疑問文の場合は、関係詞節内の動詞は接続法になります。
これは 1. の(1)「主節で croire(思う)などの動詞を否定文・疑問文で用いる場合」と似ていますので、省略します。 ⇒ 例文(読解編)

4. 独立節で

独立節とは、節(=小さな S + V を含むグループ)全体が、それだけで文になっているものを指します。

  Que ...

がどこにも係らず、独立して文になると、「~されんことを」、「~しますように」という願望祈願または「~していただきたい」「~するように!」という 3 人称(=目の前にいる相手以外のもの)に対する命令の表現になります。格調高い文で使われます。たとえば、

  • Que la paix règne dans le monde.
    (逐語訳:平和が世界の中で君臨しますように)
    「paix」は女性名詞で「平和」。「règne」は自動詞 régner(君臨する、支配する)の接続法現在3人称単数。régner はアクサンの向きが一部で変わる不規則動詞で、répéter の活用と同じ。「dans」は前置詞で「~の中で」。「monde」は男性名詞で「世界」。

これで「世界が平和になりますように」という意味になります。
このように、神仏の前で祈る場合にも使われます。

  ⇒ 他の祈願文の例(主の祈り)例(ラ・マルセイエーズ)
  ⇒ 3 人称に対する命令の例(聖書)

このタイプの文は、文頭に「Je souhaite」が省略された形だと見ることもできます。つまり、

  • Je souhaite que la paix règne dans le monde.
    (逐語訳:私は平和が世界の中で君臨することを希望する)

の「Je souhaite」が取れた形だともいえます。
こうなると、さきほどの 1. の(2)と同じになります。

また、昔からの決まりきった表現(慣用句)では、文頭の Que を省略した形もよく用いられます。この場合、倒置されることが多いのが特徴です。

  ⇒ 例文(熟語)  ⇒ 他の例文(諺)

この「文頭の Que の省略+倒置」という形は、特に「~できますように」という意味で pouvoir(できる)の接続法現在(3人称単数なら Puisse)と一緒に使われることが多かったらしく、熟語化しています(辞書で pouvoir を引くと記載されています)。
この表現を使うと、上の Que la paix règne dans le monde. は次のように言い換えられます。

  • Puisse la paix régner dans le monde.
    (逐語訳:平和が世界の中で君臨できますように)

これも「世界が平和になりますように」という意味になります。

(この項目は2015/5/24に一部書き直しました)




【関連ページ】
接続法による譲歩の熟語表現
高度な条件法の用法
接続法を使った表現 (読解編)








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