ローマ数字
ローマ数字
数詞については、どの参考書でも触れられていますので、それらに譲るとして、ここではローマ数字のフランス語流の使い方に焦点を当ててみます。
ローマ数字について
- フランス語の文章でローマ数字が出てくる典型的なケースは、
(1)~世紀(例えば「21世紀」)
(2)王様の名前(例えば「ルイ14世」)
で、これらは基本的にローマ数字で表記します(具体例は次の項目を参照)。
- 次の表は、基数と序数の各々について、左から順にアラビア数字、ローマ数字、フランス語を対応させたものです。
序数は「~番目の」「第~の」という意味で、英語の first, second... に相当します。
- ローマ数字の数え方は、日本の義務教育では習う機会がないかもしれないので、一応要点を記載しておきます。
I が 1 で、これを 2 本重ねて II とすれば 2 で、3 本重ねて III とすれば 3 を意味します。V は 5 を意味します。
左側に I をつけると「 1 つ少ない」(マイナス)を意味するので、4 は IV と表記します(時計の文字盤では IIII という表記を見かけることもあります)。右側につけると「プラス」を意味し、VI は 6 を意味します。X は 10 です。
これらの I, V, X は、それぞれアルファベット i, v, x の大文字を使用します。
ちなみに C は 100、D は 500、M は 1000 を意味します。2015 は MMXV と表記します。
- 数詞に関する簡単な注意事項
- 基数の un は、女性名詞の前では une となります。un, une は不定冠詞と共通です。
- 「2 番目の」は deuxième のほかに second(女性形は seconde)もあります。この c は発音が不規則で、濁って発音します(スゴン、スゴンド)。
second は、2 つしかない場合の「第 2 の」という意味で使います。
例えば、第一次世界大戦は
la première guerre mondiale
で、第二次世界大戦は
la seconde guerre mondiale
といいます。
もし仮にこれを
△ la deuxième guerre mondiale
というと、
la troisième guerre mondiale (第三次世界大戦)
も存在することになってしまい、縁起でもありません。
ローマ数字の使い方
- 序数を表す(ローマ)数字の右上の e (er)
フランス語の文章で、(ローマ)数字を序数として使う場合は、右上に e をつけます。
これは、序数(deuxième や troisième など)の末尾には e がつくためで、「数字の右上に e がついていたら序数」を表します。「第 1 の」という時だけ、premier の末尾をとって er をつけます。
ローマ数字(I, II, III...)の場合、これが序数の伝統的な表記方法です。
アラビア数字(1, 2, 3...)の右上にも e や er をつけることがありますが、これは多少くだけた、省略した使い方であり、あまり伝統的な(由緒正しい)書き方とはいえません。
アラビア数字の場合は、 e の代わりに ème と書くこともあります。
実は、本ホームページの各ページ右下にも次のように書いてあります。
- Vous êtes le ème visiteur sur cette page.
(あなたはこのページへの~番目の訪問者です)
本来なら、この「ème」は数字の右上につけるべきですが、ホームページ作成上の手間がかかるので、普通の文字のように右下に書いています。
このように、 e や er や ème が右上についておらず、普通のアルファベットと同様に e, er, ème と書かれているのを時々目にしますが、これはパソコンで「上付き文字」を入力できなかった場合(またはホームページ作成時に「上付き文字」として書くのが面倒だった場合)の代用です。
Ier (= premier)
IIe (= deuxième)
IIIe (= troisième)
IVe (= quatrième)
例えば、「ルイ 14 世」は次のように表記します。
- Louis XIV (= Louis Quatorze)
アニメの「ルパン三世」は、フランス語では次のように書くはずです。
- Lupin III (= Lupin Trois)
実際には、著作権の関係から、フランス語版のアニメでは基本的に「怪盗エドガー」となっています。
ただし、「1世」のみ序数を用い、例えば「フランソワ 1 世」は次のように表記します。
- François Ier (= François Premier)
(2)「~世紀」は序数
「世紀」は「siècle」で男性名詞です。「~世紀に」という場合は、定冠詞を使用し、前置詞は原則として à を使うため、縮約形で au となります。
- au XIIIe siècle (13世紀に)
- au XXe siècle (20世紀に)
N° と数字の右上の ° について
英語では見かけないフランス語特有の「度」のような記号について触れておきます。
(1) n° について
n° は英語の No. (ナンバー)に相当し、numéro (番号)の略です。「ニュメロー」と発音します。
英語の影響からか、大文字にした N° という表記もよく見かけます。
右上の ° は、numéro の末尾の o を取ったものなので、本来はアルファベットの O (オー)の小文字の「上付き文字」を使うべきところですが、むしろ温度や角度などの「度」と同じ記号を使うことが多いようです。
(2) 数字の右上の ° について
数字の右上の ° は、箇条書きで列挙するときに使用し、
- 1° は「第一に」
- 2° は「第二に」
- 3° は「第三に」
(以下同)
を意味します。
実は、これはラテン語で、
- primo (「プリーモー」と発音、「第一に」の意味の副詞)
- secondo (「セクンドー」と発音、「第二に」の意味の副詞)
- tertio (「テルティオー」と発音、「第三に」の意味の副詞)
の各単語の末尾の o を取ったものですが、やはり「度」と同じ記号を使うことが多いようです。
フランス語で言えば、
- premièrement (「プルミエールマン」と発音、「第一に」)
- deuxièmement (「ドゥズィエームマン」と発音、「第二に」)
- troisièmement (「トロワズィエームマン」と発音、「第三に」)
と同じ意味になります。
その他、昔の本(中世の写本~初期の活字本)のページ数を示す場合は r° と v° という記号が使われ、 r° は recto(表面)、 v° は verso(裏面)を意味します。これは、昔の本では 1ページおきに(つまり紙一枚ずつに)ページ数が振られていたので、その紙の表面なのか裏面なのかを示すためです。
関連ページ
⇒ 曜日、月、季節、西暦
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