指示形容詞・指示代名詞
指示形容詞・指示代名詞
指示形容詞 ce
- 「この」「その」「あの」というように物を指し示すする言葉を指示形容詞と言います。英語の this, that に相当します。
- 表 I のように 3 つの形になりますが、これは後ろにくる名詞(男性単数か女性単数か複数か)に合わせて変化するだけで、いずれも「この」「その」「あの」のどの意味にもなります。
英語・日本語との対応関係を示したのが右の表です。
男性 | 女性 | |
単数 | ce (cet) | cette |
複数 | ces |
図 I : 指示形容詞の変化
仏語 | 英語 | 日本語 |
ce | this | この |
that | その | |
あの |
図 II : 英語・日本語との対応
- 男性単数で、後ろにくる名詞が母音で始まる場合は、発音しやすくするために、カッコ内の「cet」という形になります(これを「形容詞の男性第 2 形」と言います)。
- 前述のように、フランス語の ce は、英語の this の意味と that の意味を兼ねています。
- this と that のどちらの意味かをはっきりさせたい場合は、名詞の後ろに「-ci」「-là」をつけて区別します。「-ci」をつけると this の意味、「-là」をつけると that の意味になります。
- ce livre-ci (this book)
- ce livre-là (that book)
指示代名詞 ce
これ | それ | |
無強勢形 | ce(c') | |
強勢形 | ceci | cela (ça) |
- 指示代名詞 ce は、漠然と「これ」「それ」という意味。男・女の区別も、単数・複数の区別も存在しません。人についても、物についても使います。
- ce は原則として être の主語として使います。つまり、「C'est ~ (それは~です、これは~です)」という形で使います。
これは前に出てきた具体的なものを指すのではなく、初めて紹介する時などに(特定化される以前の段階で)使用します。前に出てきた具体的なもの(特定化されたもの)を指すには、人称代名詞を使用します。
C'est mon père. Il est fonctionnaire. (これは私の父です。彼は公務員です)
- ce は関係代名詞の先行詞になると、「...なもの」「...なこと」という意味になります(英語の先行詞を含む関係代名詞である what に相当する表現になります)。
- 会話では一般に「ceci」よりも「cela」のほうがよく使われます(「ceci」は主に「cela」と対比する場合に使います)。
- ceci は「以下のこと(これから述べること)」、
cela は「以上のこと(これまで述べてきたこと)」
の意味でも使います(ただし両者は混同されて逆に使われることもあります)。
特に、「漠然と前の文脈全体を指す cela」(「そのこと」という意味)は頻出します。
指示代名詞 celui
- 指示代名詞 celui は前に出てきた名詞に合わせて 4 つの形に変化します。
- それぞれの形を分解すると、「ce」に人称代名詞の強勢形「lui」「elle」「eux」「elles」(順に 3 人称単数男性、女性、複数男性、女性)をくっつけた形でできています。
男性 | 女性 | |
単数 | celui | celle |
複数 | ceux | celles |
1. 単独で使う場合
the voice of a man and that of a woman (男の声と女の声)
は、フランス語では次のようになります。
la voix d'un homme et celle d'une femme (男の声と女の声)
辞書には「それ」という訳が載っていることもありますが、「男の声と女のそれ」と訳すと、ぎこちなくなるので、一部の硬い文章を除いて、避けたほうが無難です。
「voix (声)」が女性名詞で単数形のため、「celle」という形になっていまます。
- 正確に言うと、男性形・女性形のどちらを使うかは、前に出てきた名詞(celui が指す名詞)が男性名詞か女性名詞かに応じて決まりますが、単数形・複数形のどちらを使うかは、内容(その場の意味)によって決まります。
つまり、単数・複数は、必ずしも前に出てきた名詞に合わせる必要はありません。
- celui と ceux は関係代名詞の先行詞になると、「...な人」「...な人々」の意味になります(つまり、英語の those who に相当する表現になります)。
ただし、関係代名詞の先行詞になっていても、前に出てきた名詞を指す場合もありますので、両方の可能性を考える必要があります。
上の 4 つの形に、それぞれ -ci, -là をつける場合があります。
- 基本的には、「-ci」がつけば近くのもの、「-là」がつけば遠くのものを指します。
「celui-ci」「celle-ci」は「こちらのもの」〔英語 this one〕
「celui-là」「celle-là」は「あちらのもの」〔英語 that one〕
- 文章中の言葉を指す場合は、原則として「celui-ci」等は近くの名詞を、「celui-là」等は遠くの名詞を指します。
ただし、「celui-ci」を単独で用いて、かなり遠くの名詞を指すこともあります。
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