初心者向けのウォーミングアップ
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このページでは、フランス語の初心者の人が、本ホームページの他のページを読めるようになることを目指します。
このページはゆっくりと(たまに思い出して)作成している途中です
フランス語のアルファベットの読み方
アルファベットの a, b, c は、英語では「エー、ビー、シー」と発音しますが、フランス語では「ア、ベ、セ」(または少し長めに「アー、ベー、セー」)と発音します。英語とは異なる場合や、まぎらわしい場合もあるので、「フランス語流のアルファベットの読み方」をしっかり暗記しておく必要があります。
つづりは英語と同じ alphabet ですが、フランス語では原則として末尾の t は発音しないので、正しくは「アルファベット」ではなく「アルファベ」と発音します。
なお、フランス語では発音の長・短(伸ばすか伸ばさないか)は流動的なので、下記の表のカタカナを多少長めに「アー、ベー、セー、デー、ウー」と読んでもかまいません。
アルファベ | 発音 | 備考 |
a | ア | |
b | ベ | |
c | セ | |
d | デ | |
e | ウ | 「イー」ではないので要注意。 |
f | エフ | |
g | ジェ | g と j の発音が英語とは逆なので要注意。 フランスの新幹線 TGV は「テ・ジェ・ヴェ」 (または少し長めに「テー・ジェー・ヴェー」)と発音。 |
h | アッシュ | 文法用語の「有音の h (ゆうおんのアッシュ) 」と 「無音の h (むおんのアッシュ) 」でも使われます。 |
i | イ | |
j | ジ | g と j の発音が英語とは逆なので要注意。 |
k | カ | ボクシングで「ノックアウト」を意味する KO のことを 英語のように「ケーオー」ではなく「カ オ」と言う。 (ただし OK は英語と同様に「オーケー」) |
l | エル | |
m | エム | |
n | エヌ | |
o | オ | |
p | ペ | |
q | キュ | |
r | エール | 「アール」ではないので要注意。短めに発音すると「エル」となり、 文法用語の「er (ウー・エル)動詞」や「ir (イー・エル)動詞」でも 使われます。 |
s | エス | |
t | テ | |
u | ユ | 「ウ」ではないので要注意。口をすぼめて「ユ」と発音します。 |
v | ヴェ | |
w | ドゥブル・ヴェ | double v (ダブルの v )という意味。 |
x | イクス | |
y | イ・グレック | i grec (ギリシアの i )という意味。実際、y という文字は physique (物理学)や mythe (神話)など、ギリシア語を 語源とする言葉に含まれていることが多いようです。 |
z | ゼッドゥ |
上の表は、個々のアルファベット 1 字を単独で読む場合の読み方を記したものです。
実際の単語の中に出てくるつづり字と発音の関係については、「発音」のページを参照してください。
また、筆記体については「フランス語の筆記体」のページを参照してください。
男性名詞・女性名詞について
英語とは違って、フランス語には男性名詞と女性名詞があります。
例えば、「本」は男性名詞、「家」は女性名詞と決まっています。
livre (発音:「リーヴル」) 本 (男性名詞)
maison (発音:「メゾン」) 家 (女性名詞)
「なぜ、この名詞は男性名詞で、あの名詞は女性名詞なのか」と理由を探しても、ほとんどの場合、答えはなく、丸暗記するしかありません。
そのため、名詞を覚えるときは、男性名詞か女性名詞かも一緒に覚える必要があります。
その場合、次で取り上げる「冠詞」をつけて覚えるようにします。冠詞は、(単数では)男性形と女性形が異なるので、冠詞をつければ、男性名詞か女性名詞かわかるからです。
なお、あとで触れるように、冠詞には主に「定冠詞」と「不定冠詞」がありますが、どちらをつけて覚えても構いません。
名詞の単数形と複数形について
英語は、単語の末尾に s をつけると複数形になりますが、フランス語も同様です。
ただし、フランス語では、単語によっては末尾に s ではなく x をつける場合や、単数形・複数形が同じ場合などもあります。
例えば、livre (本)の単数形・複数形は次のようになります。
英語 | フランス語 | |
単数 | book ブック | livre リーヴル |
複数 | books ブックス | livres リーヴル |
フランス語では末尾の s は発音しません。例外的に発音する単語もありますが、少なくとも複数形の s は発音しません。
そのため、単数形も複数形も同じ発音になってしまいます。
これでは、耳から聞いたときに、単数形なのか複数形なのか、わかりません。
ここで登場するのが、冠詞です。冠詞は単数形と複数形では発音が異なるため、冠詞をつければ、その後ろの名詞が単数形か複数形かがわかります。
つまり、冠詞は「耳から聞いたときに単数形か複数形かを明らかにする」役割も持っています。そのためか、フランス語では英語よりもたくさん冠詞をつける傾向があります。
例えば、英語の不定冠詞 a は単数形しか存在せず、複数形の名詞には不定冠詞はつけません。
しかし、フランス語では不定冠詞(un, une)には複数形(des)も存在します。
英語 | フランス語 | |
単数 | a book ア ブック | un livre アン リーヴル |
複数 | books ブックス | des livres デ リーヴル |
こうすれば、「アン リーヴル」と「デ リーヴル」では発音が異なるので、耳から聞いたときに単数形か複数形かがはっきりとわかります。
冠詞について
一番よく使われる冠詞は、「定冠詞」と「不定冠詞」です。
いずれも、「男性形」と「女性形」と「複数形」の 3 つの形があります。
1. 定冠詞
定冠詞は英語の the に相当し、次のように変化します。
母音の前では、男性単数も女性単数も「l'」という同じ形になります。
「le」の末尾の e は発音しません。「les」の末尾の s も発音しません。
複数形は、男性・女性とも同じ形になります。
例:
le livre (発音:「ル リーヴル」) 本 (男性名詞)
la maison (発音:「ラ メゾン」) 家 (女性名詞)
les livres (発音:「レ リーヴル」) 本 (男性名詞)
les maisons (発音:「レ メゾン」) 家 (女性名詞)
上の表のカッコの中の形は、後ろに母音(=「アイウエオ」)で始まる単語が来たときの形です。後ろに母音で始まる単語が来ると、男性形も女性形も「l'」となります。
l’oiseau (発音:「ロワゾー」) 鳥 (男性名詞)
l’ombre (発音:「ロンブル」) 影 (女性名詞)
男性名詞「oiseau (鳥)」も、女性名詞「ombre (影)」も、どちらも母音で始まるので、ともに定冠詞は「l'」となります。
「無音の h 」で始まる語の前でも「l'」となります。
2. 不定冠詞
不定冠詞は英語の a に相当し、次のように変化します。
不定冠詞
男性 | 女性 | |
単数 | un | une |
複数 | des |
「un」はフランス語特有の「鼻母音」です。
「une」の u は口をすぼめて「ユ」と発音します。末尾の e は発音しません
「des」の末尾の s は発音しません。
人称代名詞と動詞の活用について
1. 人称代名詞
英語やフランス語には「人称代名詞」が存在します。
詳しくは、人称代名詞の表に全部の形が記載されていますが、ここでは、とりあえず主語の形を取り上げます。
英語では、主語は次の 6 種類です。I (私)、you (あなた)、he (彼)、we (私達)、you (あなた達)、they (彼ら)
これは、フランス語では次のように言います。
je (ジュ)、tu (チュ)、il (イル)、nous (ヌー)、vous (ヴー)、ils (イル)
発音の規則について補足しておくと、「je」の末尾の e は発音しません。「tu」の u は口をすぼめて「ユ」と発音します。
「nous」と「vous」の ou は「ウー」と強めに発音します。末尾の s は発音しません。
2. 動詞の活用
動詞の現在形は、英語だと 3 人称単数(三単現)に s がつくだけで、あとは同じ形になりますが、フランス語ではもっと複雑に変化します。
例えば、「愛する」という動詞は、次のように変化します。
フランス語の発音は、動詞の部分だけを取り出して記載しています。
英語の love
I you he we you they | love love loves love love love |
フランス語の aimer
j' tu il nous vous ils | aime aimes aime aimons aimez aiment | エーム エーム エーム エモン エメ エーム |
語幹(つまり変化しない部分)の ai は「エ」と発音します。
語尾(変化している部分)では、発音しない文字がたくさんあります。末尾の e は発音しません。末尾の s や z も発音しません。複数 3 人称の語尾 -ent も発音しません。
このように、単数の 3 つ(aime, aimes, aime)と複数 3 人称(aiment)の合計 4 つは、まったく同じ発音になります。
つまり nous と vous を除けば、耳から聞いたときは同じことになります。
ただし、動詞の活用を覚える時は、人称代名詞とつなげて次のように発音します。
まずは、次の表を丸暗記してください。
j' tu il nous vous ils | aime aimes aime aimons aimez aiment | ジェーム チュ エーム イレーム ヌーゼモン ヴーゼメ イルゼーム |
この表の発音の規則について、次に説明します。
3. エリジヨンとアンシェヌマンとリエゾン
上の表では、「je」は「j'」となっています。これは、母音の前では「je」は「j'」となるからです。
このように、e が ’ (アポストロフ)に置き換わる現象のことを「エリジヨン」といいます。
上から 3 つ目の「il aime」は、2 語を別々に発音すると「イル」、「エーム」となりますが、実際にはつなげて「イレーム」と発音します。このように、つなげて発音することを「アンシェヌマン」といいます。
上から 4 つ目の「nous aimons」は、2 語を別々に発音すると「ヌー」「エモン」となります。フランス語では語尾の s は読まないので、「nous」は単独では「ヌー」と発音します。しかし、後ろに母音がくると、単独では読まないはずの s を、濁って(つまり z の音で)つなげて読み、「ヌーゼモン」となります。この現象のことを「リエゾン」といいます。
同様に、上から 5 つ目の「vous aimez」も「ヴー」「エメ」がリエゾンによって「ヴーゼメ」となっています。
また上から 6 つ目の「ils aiment」も「イル」「エーム」がリエゾンによって「イルゼーム」となっています。
4. 規則動詞と不規則動詞
動詞には「規則動詞」と「不規則動詞」があります。
さらに規則動詞には 2 種類あり、この aimer (愛する)は、最も数が多い「第 1 群規則動詞」(別名「er 動詞(ウーエルどうし)」)です。 donner (与える)などと同じタイプの活用をします。
5. 他動詞と直接目的
英語の love やフランス語の aimer は「他動詞」なので、「何を」愛するのかを言わなければなりません。
この「何を」に相当する言葉のことを「直接目的(語)」といいます。
例えば「あなたを」という言葉を入れた場合、英語の I love you. (私はあなたを愛している)は、フランス語では次のように言います。
Je t'aime. (発音:ジュテーム)
この「t'」が「直接目的」です。
「直接目的」と「間接目的」が同じ形になる場合もあります(詳しくは人称代名詞の表を参照してください)。
英語の be 動詞に相当する être
英語の be 動詞(「~である」という意味)に相当するフランス語は être (エートル)です。
英語の be 動詞は、3 人称単数だけでなく、それ以外にも不規則に変化しますが、フランス語の être も不規則です。
英語の be
I you he we you they | am are is are are are |
フランス語の être
je tu il nous vous ils | suis es est sommes êtes sont | ジュ スュイ チュ エ イ レ ヌー ソム ヴー ゼットゥ イル ソン |
il est は「イル エ」が上記のアンシェヌマンによって「イ レ」となります。
vous êtes は「ヴー エットゥ」が上記のリエゾンによって「ヴー ゼットゥ」となります。
1. 「~である」という意味の場合
英語の I am Japanese. (私は日本人です)は、フランス語では次のようになります。
Je suis japonais. (発音:ジュ スュイ ジャポネ)
ただし、フランス語だと形容詞は男性形と女性形があり、「Je (私)」が女の場合は、「japonais (日本人の)」という形容詞が女性形になります。普通は、末尾に e をつければ女性形になるので、次のようになります。
Je suis japonaise. (発音:ジュ スュイ ジャポネーズ)
男性形だと、最後の s は読まないので「japonais(ジャポネ)」ですが、女性形だと s も読んで「ジャポネーズ」となります(一般に、s は母音に挟まれると濁って発音します)。
2. 過去分詞とセットで受動態になる場合
英語と同様、過去分詞のことを p.p. と略します。「第 1 群規則動詞」の場合、語尾の er を é に変えれば過去分詞になります。
英語で be 動詞 + p.p. が受動態になるのと同様、フランス語も être + p.p. で受動態になります。例えば、能動態(受動態ではない文)だと、
Dieu l'aime. (神は彼を愛している)
というように、「aime」は上記 aimer (愛する)の現在 3 人称単数の形になります。
これを受動態にするには、過去分詞 aimé を être と組み合わせ、次のように言います。
Il est aimé par Dieu. (彼は神によって愛されている)
「est」が être の現在 3 人称単数で、「aimé」は aimer の過去分詞なので、 être + p.p. で受動態になっています。「par」は「~によって」という意味の前置詞で(英語の by に相当)、「Dieu」は「神」です。
ただし、 être + p.p. でも、「場所の移動・状態の変化を表す動詞の場合」と、「再帰代名詞が付いている場合」は、受動態ではなく「複合過去」になります(「助動詞」のページの対応表を参照)。「複合過去」については次の項目で取り上げます。
英語の have に相当する avoir
英語の have
I you he we you they | have have has have have have |
フランス語の avoir
j' tu il nous vous ils | ai as a avons avez ont | ジェ チュ ア イ ラ ヌー ザヴォン ヴー ザヴェ イル ゾン |
1. 「持っている」という意味の場合
英語の
I have a book. (私は一冊の本を持っている)
は、フランス語では次のようになります。
J'ai un livre. (私は一冊の本を持っている)
と「J'」は Je (私は)の e が(次の単語が母音で始まるので) ’ (アポストロフ)に置き換わった形です。
「ai」は avoir (持っている)の現在 1 人称単数。
2. 過去分詞とセットで過去の意味になる場合
(追加予定)
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